30歳にもなってママ頼り?
そう見えるかもしれない。
でもこれは、ファッション相談じゃなく、
仕事人としての戦略相談だった。
最近、息子が会社を辞めた。
そして、区議会選挙に出馬すると言い出した。
しかも選挙カーを使わず、
税金を使わず、人力車で回るという。
……なかなか攻めている。
「それで、どんな和装がいいと思う?」
そう相談が来た、というわけだ。
着物サポートのお客様は、
着る動機も、年齢も性別もさまざま。
でも今回の着物サポートは、
「着たい」から始まった話ではなかった。
どう見られたいか。
何を伝えたいか。
どんな姿勢で立ちたいか。
そこから考える服装だった。
人力車の引手といえば半股引。
でも、お祭り限定感が強すぎる。
選挙活動では使いにくい。
それならと私が一番に思いついたのが
よく行く、たけもと銀座一丁目店
男着物は、
サイズさえ合えば、着付けは本当に簡単。
ただし落とし穴もある。
“サイズさえ合えば”なのだ。
このお店はそこがクリアなので
男性デビューの最初の一軒にしやすい。
銀座といってもリーズナブル
そこで見つけた、ジャージ生地の着物。
息子も黒のジャージ着物に一目惚れ。
何着か試したけど、
やっぱりこれが一番しっくり来た。
その場でイメージカラーも黒に決定。
政党カラーがあるように、色戦略も大事だそうだ。
政治家がブラック?とも思ったけれど、
「何にも染まらない強い意思表示」だと言われて納得。
たすき掛けをしてみたら、
書初めの書家みたいで、ちょっと楽しい。
私が着物デビューサポートで
買い物に一緒に行くときに大事にしているのは、
良いものを買うことより、良いご縁を広げること。
私自身、
顔を覚えてくれた店員さんや担当さんを
ただの「売り手」ではなく、
「頼れる着物相談役」と大切にしている。
偉そうに店の人を使いたいわけでもないし、
初心者の前で常連ヅラしたいわけでもない。
ちゃんと相談できる関係を、
少しずつ一緒につくっていく感じ。
そういう安心できる人を紹介できるのも、
私の役目だと思っている。。
この日、襦袢代わりにと
白いしじら織りの浴衣を見立ててくれたのも
顔なじみの店員さん。
洗濯方法や扱い方を息子に丁寧に説明してくれた。
購入後も、選挙区の情報を送ってくれたり、
何かと気にかけてくれてありがたい。
着物仲間、心強い。

帯は、紐付き角帯“風”のベルト。
帯結びを知らなくても
紐を結ぶだけなので簡単。
これは地元神楽坂の倭物やカヤさんの品。
そこで売ってるマルゴの地下足袋スニーカー。
私も愛用していて
とても快適なので息子サイズを注文。
銀座の着物屋さんだけじゃない。
小物屋の副店長さんも、私の着物仲間。
息子の人生最大級のチャレンジ。
着物仲間、総動員!
サマーウォーズのおばあちゃん気分(笑)
選挙ポスター撮影も、着物仲間のつながり
ジパングゲートさん。
ただ撮るだけの撮影班じゃない。
イメージカラーの重要性など
選挙についても予習してきてくれて
まったく知らない息子のために、
動いてくれる仲間たち。
ありがたい。
ポージングの先生も入り、
立ち方や表情を調整。
誠実で、
好感度の高い写真が撮れた。
街頭ではスーツが基本だった息子。
ジャージ着物でも登場するようになった。
やっぱり、覚えてもらいやすい。
人力車も事前に借りていて、
重さに慣れたり走行コースを練習するのに
尻っぱしょりの着物でやっていたそう。
この期間、割と頻繁に着ていたので
着姿はすぐサマになった。
とはいえ観光地でもない場所で
突然、和服の人力車の人。
正直、ちょっと怪しい(笑)。
それでも、
葛飾区一周企画を実行。
私は伴走……のつもりが、
途中から人力車に乗せてもらった。
親バカだけど、
あの背中はかっこよかった。
午後から夜は娘夫婦も合流。
家族で見守る一日。
それから選挙公示、
PR活動、ポスター貼り、街頭演説…
家族総出、友だち動員、
黒いジャージ着物の人力車が、街を駆け巡った一週間。
・・・結果は、
選挙に必須という「地盤・看板・鞄」のない無所属新人
まさかのミラクルは起きなかった。
まあ、そりゃそうだよね、という感じ。
それでも供託金が戻る程度の獲得票。
有権者のみなさまには感謝だ。
たまたま今回は息子だったけれど、
私がやっていることは、いつも同じだ。
着る人の目的を聞く。
どうみられたいかを考える。
そのために、
着物仲間を総動員してサポートする。
着物は「着たい人」だけのものじゃない。
必要な人に
必要な形で寄り添える表現衣装。
それが、私のやっている着物サポート。
そして、SuchBarの姿勢でもある。

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