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#05 やりたい仕事のつくり方。できない理由よりやれる方法。ないなら作れ

妊娠がわかった時、私はバーテンダーだった。

夜の仕事で、明け方に帰る生活。

赤ちゃんが生まれたらこんな生活は続かない。

 

昼の仕事を探さなきゃいけないけど、私は高卒のキャバ嬢上がり。

学歴も資格もないし、履歴書の“経歴”、どうごまかしても真っ黒だ。

 

「まともな会社で事務職をやっても、たいした給料にはならないだろうな…」

でさ、思った瞬間、気がついたのよ。

 

フルタイムで会社に縛られたら

子どもと遊ぶ時間がなくなるじゃないか

 

そこで私が思いついたのがフリーランス、ジャンルは「物書き」だった。

 

当時はシングルマザーも珍しくなくなってきた時代だけど、その多くは“離婚組”。

最初から結婚しないシングルなんて、周りを見渡してもなかなかいない。

「これは…武器になるんじゃ?」と私は直感した。

 

もちろん私は“結婚してもらえなかった側”でもある。

でもその経緯はどうあれ、

“最初から結婚しない選択をした母親”という視点は絶対に珍しい。

そして、珍しいものは人の興味を引く。

 

私は育児雑誌に「シングルマザーのススメ」というエッセイ連載を持ち込もうと決意した。

 

インターネットもメールもない時代だ。

出版社に片っ端から電話し、総務や広報を捕まえて「発行部数いくつですか?」なんて聞きまくった。

メジャーすぎず、ショボすぎない雑誌を絞り込んで、編集部へ直接連絡した。

 

もちろん、該当雑誌の特集構成やページ配分、コラム枠まで研究済みのうえでね。

「このスペースに、来期から私の連載いかがです?」と持ち込んだというわけ。

 

実績として、高校時代に遊びで書かせてもらったバイク雑誌の増刊号も持参した。

3ページまるっと、企画も文章もイラストも私一人。

今考えると、あの頃から“思いつきで突っ走る才能”はあったんだと思う。

 

それで、どうなったかというと——

採用された!

あっさり。

拍子抜けするくらい。

ひとまず出産までの半年間、私の連載が始まることになった。

 

私は連載が決まった夜、

「これ、人気でたら本にならないかな」「映画化とかされたらどうしよ」と、

お腹の赤ちゃんと祝杯をあげながらのんきに妄想していた。

 

もちろん、この連載一本で食べていけるわけじゃない。

だから私は“連載を持っているライター”として、すぐに他誌も営業した。

 

フリーランスは最初のひとつが命。

著名原稿さえあれば、そこから雪だるま式に仕事が取れる。

 

インタビューの依頼が来たときは、やったこともないのに「できます、行きます」と即答した。

嘘をついたつもりはない。

私は最後に帳尻を合わせればいいだけだ。

 

編集者も“この小娘でもできるだろう”と思うから頼んでくる。

そして万が一コケても、出版社なんて優秀な人材の塊だ。

私が1回転んだくらいで倒産するほどヤワじゃない。

ま、転ばなかったけどw

 

いや、転んだよ! FAX入稿してグアム行ったら、実は届いてなくて原稿落とした。

でも不思議と雑誌のそのスペースには穴あかないんだよね。

 

 

そんな感じで仕事を覚え、転んで起きてスキルを拾い集め、

いつの間にか幼児2人を育てられるくらい稼げるようになっていた。

 

平日、下の子だけ保育園に預けて、

「上の子は取材で〜」なんて言いながらネズミの国へ遊びに行く贅沢ズルもした。

保育園の先生、本当にゴメンなさい。

でもあれ、私には必要だったのよ、子育てを満喫する時間”として。

 

職ナシ、貯金ナシ、学歴ナシ、

何も持ってない私がひとりでも生活力を身につけていけた理由はひとつ。

 

やれない理由より、やれる方法を探したから

 

私の知人に、5人姉妹の末っ子がいる。

彼女の実家に遊びに行ったとき、お母さんがこう言っていた。

「(娘が)高校のときダンス習いたいって言ってね、私がもうちょっと働けば習わせられると思って、仕事増やしたのよ」

彼女はのちにダンスで賞を取ったり地元新聞にも載ったりしたそうだ。

嬉しそうに、誇らしそうに話してくれた。

 

あのときのお母さんの顔を見て、私は思った。

私もそうありたい。

「~こう~だからできない」じゃなく、どうしたらできるか前に踏み出す。

 

その姿勢は、同じことを思っていた私に確信を与えた。

 

そんなん、ムリに決まってるじゃん…を敢えてやるのが我が家。

ところでつい先月、

地盤(後援会組織)ナシ、看板(知名度)ナシ、かばん(資金)ナシ

完全無所属で戦うインディーズ候補として息子が区議会議員選挙に出たんだよね。

 

いやビックリよ、最初きいた時は「ナニやんの?!」しかない。

しかもそこまでのリサーチとか、ん?私か?って思うくらいやるだけやってたよね。

これはもしや…ワクワク・・・というほど政治の世界は甘くなくて、普通に落選したけど

ある意味(息子にゃ悪いが)落ちても「デスヨネ~」で済むし、

なかなか経験できない人生のイベント楽しんだね!と達成感はある。

そしてその経験はただのムダじゃなく、確実に将来の糧になるんだよね。

 

人生でムダなことなんて何ひとつない。

 

 

今、突破口が見えなくて立ち止まっている人がいたら、伝えたい。

 

道がなければ、探せばいい。

なさそうなら、作ればいい。

道がないなと立ち止まったり引き返しちゃうのは本当にもったいない。

 

”普通”に沿わなくても、生きていける。

むしろ外れたほうに、人生の景色は広がってる。

私は、そうやってきた。それでナントカなるもんだ。

 

そしてこれからも、その宝探しをしながら進んでいくつもりだ。

 

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